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重力による茎の形態変化における表層微小管と微小管結合タンパク質の役割

国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」での生命科学実験

大阪市立大学大学院理学研究科の曽我康一准教授のグループは、重力による植物の茎の形態変化における表層微小管と微小管結合タンパク質の働きを解明するため、国際宇宙ステーションを利用したAniso Tubule宇宙実験を行います。試料は2013年夏と2014年春に打ち上げられる予定のHTV(宇宙ステーション補給機)にて、「きぼう」日本実験棟に輸送されます。

研究の概要

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重力による茎の形態変化における表層微小管と微小管結合タンパク質の役割

陸生植物が地上の重力下で生きていくためには、重力に対抗できる体を構築する必要があります。これまでの遠心過重力環境を利用した実験から、重力の大きさの対数に応じて、茎を太く短くすることが植物の重力に対抗するメカニズムのひとつであることが示されています。また、茎の形態変化は、MAP65などの微小管結合タンパク質の働きにより、細胞長軸に平行な向き(縦配向)の細胞質表層微小管を持つ表皮細胞の割合が増加することによってもたらされていることがあきらかになっています。以上の地上実験の結果より、宇宙では、過重力環境下とは逆に、微小管結合タンパク質の働きにより細胞長軸に直交する向き(横配向)の表層微小管を持つ表皮細胞の割合が増加し、茎が細く長い形態になると予想されます。そこで本実験では、微小管の構成要素であるチューブリンおよび微小管結合タンパク質をGFP(緑色蛍光タンパク質)で標識したシロイヌナズナを?きぼう?内の微小重力環境下で生育させ、軌道上の蛍光顕微鏡を用いて、茎の形態や表層微小管ならびに微小管結合タンパク質の動態を解析します。本宇宙実験と地上実験により、重力による茎の形態変化における表層微小管と微小管結合タンパク質の役割の解明を目指します。