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　大阪市立大学大学院工学研究科の吉田 大介准教授と和田 応樹客員研究員が2020年度に実施した「ドローンや3次元レーザースキャナ^※を用いた高精度3次元データ計測実験」の計測データを、オープンデータとして公開します。
　岸和田城の計測実験は、大阪府と岸和田市、TPホールディングス株式会社ならびに株式会社ニコン?トリンブルと協働して実施した実験であり、最新の測量機器により岸和田城内部や庭園、本丸石垣などを計測し、高精度の3次元情報を持つ点群データを取得しました。この3次元データを活用することで、岸和田城の新たな魅力発信、文化財保全、教育などの様々な目的に使用できる可能性が考えられます。
　この3次元データをもとにWebブラウザで岸和田城を様々な角度から楽しめる3次元モデル「バーチャル岸和田城」を構築し、今回、このモデルについても3次元データとともにオープンライセンスとして公開します。

※3次元レーザースキャナ：対象物の形状を高精度に計測する測量機器

岸和田城 3次元計測実験

?●2020年6月の複数日にわたり、複数の3次元レーザースキャナ（ドローン搭載型と地上据置型スキャナ）を用いて、上空を含む城の外観および城内部の3次元形状の計測を行いました。レーザースキャナによる計測では、まず、スキャナの設置地点を、測量用GNSS(GPS)により高精度（数mm?1cm程度）の位置情報を計測しました。これにより、レーザースキャナによる計測データを、より正確な現実座標で示すことができ、他の地点で計測した3次元データとの結合がより正確に行えます。

●複数の地点で計測した3次元データを結合し、岸和田城周辺を含む外観、ならびに城内部を詳細に可視化した3次元モデルを構築しました（https://vkishiwadajo.net）。このモデルを活用することで、岸和田城の3次元表示が行えるだけでなく、城の正確な情報（長さや面積等）をコンピュータ上で計測することができ、八陣の庭や岸和田城石垣などの重要な文化財の保全にも活用できます。

岸和田城3次元データの公開方法

　岸和田城の3次元点群データは、国立研究開発法人産業技術総合研究所、ならびに、G空間情報センターにご協力いただき、以下のWebサイトで公開します。それぞれのWebサイトから岸和田城の3次元点群データがダウンロードできるだけでなく、3次元モデルの閲覧も可能です。

G空間情報センター での岸和田城3次元データ https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/kishiwada-castle

産業技術総合研究所 3DDB Viewer
https://www.digiarc.aist.go.jp/team/gsvrt/information/3ddb-viewer-Kishiwada/

　感染症のパンデミックにより気軽に岸和田城に訪れられない今、このような3次元モデルを活用することで、スマートフォンやPCにより自宅に居ながら、普段は見ることのできない様々な視点で岸和田城を見て感じることが可能です。
　今回この３次元データもとに、Webブラウザで自由に視点が操作できる３次元モデルを、データとともにオープンライセンスで公開します。それにより、本学や大阪府?岸和田市以外の外部の団体?個人による新たなデータ?モデルの活用が期待されます。

3次元モデル「バーチャル岸和田城」のプログラムコード
https://github.com/nro2daisuke/vKishiwadajo/

　また、３次元モデルの活用方法として、試行的に岸和田城のPR動画を制作しましたので、あわせて公開します。
https://youtu.be/ZFdl-mM52Rs